【洗面脱衣室】基本的なレイアウト・洗濯機は奥?手前?

最近は、洗面脱衣室の考え方も随分多様化してきました。

洗面脱衣室で室内干しもできるように…
洗面室と脱衣室を分ける…

これまでは用途が限られてきた洗面脱衣室ですが、新築の場合 これからは 洗面脱衣室が、家庭ごとに違うスタイルを表す面白い空間になってくるように思います。

そんな話も今後 記事にしたいと思うのですが、今回は ベーシックな洗面脱衣室を例として、洗面脱衣室内 の配置についてです。


まず、一番最小限の大きさの洗面脱衣室の図面を書きました。
洗面室配置



上と下の図面で、洗面台と洗濯機の配置が異なっています。
皆さんは、どっちがいいと思われますか?


私が経験してきた限りでは こういう場合、ほとんどの設計士が上図の配置(洗濯機が奥)で図面を書きます。

でも、「家事動線」においては、「洗濯機が手前にある方がいいのでは?」と考える方もいらっしゃいます。
そういう方は、図面を「洗濯機が奥」で書いていると「この設計士は家事を分かってない」ようにも思われるようです(^^;)
ですので、洗濯機を奥にする理由について私が考える理由をご説明してみようと思いました。



洗面室の動線は 家族全員が関わってくる

確かに洗濯機が手前にあると、洗濯をするとき・取り出すとき、いちいち奥までいかずに入口付近で動線が完結します。
でも、家にあるのは 家事動線だけではありません。
家族が動く経路も、考えなければいけない毎日の動線です。

主婦の皆さんは、洗濯機を1日に何回動かしますか?
私は、1日に1回です。
お子さんが小さい方や、家族の人数が多い方…など、1日に2~3回使う方もいらっしゃると思います。
たしかにその都度、部屋の奥まで行くより、手前に洗濯機があって動線を最小限にする方が効率的です。

では 1日に3回洗濯機をまわす場合、家事をする方(仮に「お母さん」とします)が、洗濯機のところに行くのは何回でしょうか?
●洗濯を始める時
●洗濯を取り出す時
この1セットが、1日に3回あるとすれば、洗濯機の前で作業をするのは6回です。
私のように、1日に1回の洗濯で足りる場合は、2回です。
(補足…あ、二層式の場合は行く回数が増えますが、今回は普及率の高い全自動洗濯機とします…)


その一方で、家族が洗面台に行く回数は何回ありますか?
洗濯機を1日3回使うくらいの家族を想定すると、夫・妻・子供・子供と4人くらい家族がいそうかなと思いますので、ここでは4人家族を想定とします。
●朝、それぞれが顔を洗う…4回
●朝、それぞれが歯磨きをする…4回
●帰宅後、お子さんが手を洗う…2回
●夜、それぞれが歯磨きをする…4回
計14回です。

…補足…
一般的に、朝食前より朝食後に歯磨きをする方のほうが多いそうなので(ネットで調べました・私も朝食後に磨きます)、顔を洗うのと朝の歯磨きは別にしました。
帰宅後の手洗いは、本当は皆した方がいいですが、無理に回数を増やしたようにも見えるので、お子さんだけにしました。

この他にも、ドライヤーで髪を乾かす時や、髪型を整えるために洗面台の鏡を使われる場合もあります。
そうすると、洗濯をするお母さんの洗濯機への動線より、家族が洗面台に向かう動線の方が断然回数が多いのです。


実際の生活を想定してましょう

次に、実際 生活する流れを考えてみましょう。
たとえばこの図のように、洗濯機が奥の場合。
手前洗面


洗濯機の前でお母さんが作業をしている間でも、他の家族は自由に動けます。
お母さんが家族の後ろを通って部屋を出ようとしても、洗面台を使用する時というのは 水を使ったり鏡を見たりと 洗面台に近付いてする作業がほとんどなので ほぼそのまま通れるくらい後ろが空いているでしょうし、お母さんが大きい洗濯カゴを持って後ろを通ろうとしても 家族がもう少し洗面台側に体を寄せれば、後ろは十分通れます。


一方、洗濯機が手前の場合
手前洗濯


洗濯機の前でお母さんが作業している時というのは、洗濯カゴを置いたりしますし、またドラム式洗濯機の場合はそのドアが開いていたりと、それなりに スペースを必要とします。
洗面台を使い終わった家族が部屋を出ようとしても、お母さんが作業を中断してスペースを空けてくれないと動けません。


洗濯機を奥に配置する理由

以上のようなことから、私も基本的に 洗濯機を奥に配置します。
実は 私もまだ建築を学び始めた時に、「洗濯機は手前にある方が家事動線がいいのでは?」と考えたことがあります。
そのときに「洗濯機が奥」な家や図面を多く見たため、「なんでだろう?」自分なりに考えたことです。
家事動線については、住宅設計においてよく出てきますし、ここ数年は特に住宅ブームで、「主婦目線・主婦動線」を優先した設計が好まれます。
しかしそれは、主婦の家事における全体的な流れをスムーズにしようということであって、あと数歩 奥に行くかどうかの細かい部分の話は、家族全員の動線を止めてまで優先することでは無いと思います。


ちなみに 今回 書いた洗面脱衣室の図面は、説明しやすいような間取りを作ったものです。
実際には、洗面室への入り口が2か所あったり、もう少し広かったり、いろんなケースがあると思います。
間取りや家族に応じて、必ずしも「洗濯機は奥がベスト」ではありません。
この記事は、「新築の図面が出来上がったけど、洗濯機が奥でいいのかな?」と思われた場合など、設計士の意図を知る参考や、ご自身の家庭ではどの配置がベストかを考える材料にしていただけたらと思います。


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Theme: 住まい - Genre: ライフ

Comment

  • 2015/05/26 (Tue) 09:13
    そらいぬ #- - URL
    No title

    おおお~!
    分かりやすい!
    確かに洗濯機が手前にあると不便と感じることが多そうですね。
    この記事を読んで、今住んでいる家を思い出してみたら洗面台が手前でした。
    ちゃんと理由があったんですね~。
    おもしろいです(笑)

  • 2015/05/26 (Tue) 23:08
    隊長 #NmRVQg7I - URL
    No title

    そういえばうちも洗面所と脱衣室は別ですね。

    昔住んでた家は洗面脱衣室だったのでたしかに不便だったかもです。

  • 2015/05/28 (Thu) 13:58
    いそまる #- - URL
    そらいぬさん

    楽しんでいただけたようで嬉しいです(^^)
    配置ひとつでも いろんなことを考えてのことなのに、結構「家事動線で洗濯機が奥はおかしい!」と思われる方がいるみたいなので、記事にしてみました。
    まあ考え方も千差万別だとは思いますが…。

  • 2015/05/28 (Thu) 13:59
    いそまる #- - URL
    隊長さn

    脱衣と洗面が別なのは、これから主流になっていく気がします。
    設計サイドは、ますます考えることが多くなりそうです…(^^;)

  • 2015/06/16 (Tue) 16:47
    変わるぞママ #SEB20BY. - URL
    なるほど

    勉強になりました。
    ちなみに私は残り湯を使うので洗濯機はお風呂に近い方にと言いました。
    それと同じ理由で風呂のドアの開く方向も指示しました。
    結果奥なんですけど確かに洗濯の時は洗濯機の前に色々置きますね~。
    お優しいコメントありがとうございました。励まされました!

  • 2017/05/13 (Sat) 15:36
    #- - URL
    実際の使い勝手として

    動線も大事でしょうが、洗面所が浴室すぐ脇にある方が良いです。

    浴室で出た濡れもの(水が滴るようなタオルや下着類)をダイレクトに浴室から洗面台に掘り込むことが出ます。
    特に、育児・介護・女性(生理中)などは浴室で汚れた衣類を洗ったり、濡れた状態で浴室に駆け込むことが多数です。

    我が家は浴室出口すぐに洗濯機を置いてしまい、浴室ででた濡れた衣類を一時的に洗面台に置きに行く時、床をベタベタに濡らしながら洗濯機向こうの洗面台に行くことになってしまいました。
    それでも置きに行けないときは、濡れたまま床に置くことになりました。

    近日中にリフォーム予定ですが、浴室から洗面台が届く位置に移動させようと思っております。

    更に欲をいうならば、浴室ドアを開けてすぐにバスタオルが取れるようにしたいですね。

  • 2017/05/29 (Mon) 09:18
    いそまる #- - URL
    Re: 実際の使い勝手として

    名無しさん
    コメントありがとうございます。
    記事の最後にも書いている通り、家族に応じて「ベスト」は変わると思います(^^)

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